膀胱がん Bladder cancer

膀胱がんについて

 膀胱がんは泌尿器科で扱う癌のなかで比較的頻度が高いものです。発生率は、人口10万人あたり男6人、女2人くらいであり、発症する方の80%が60歳以上と比較的高齢者に多いがんです。このホームページでは、一般の方に膀胱癌について知っていただくとともに、当科での治療について紹介させていただきます。膀胱は、お腹の下の方にあり、腎臓で作られた尿を溜めておくための臓器です。膀胱は平滑筋という筋肉でできており、その筋肉は排尿のとき膀胱を収縮するために働きます。腎盂から尿管、膀胱、前立腺(尿路といいます)の内側は移行上皮という粘膜に覆われています。移行上皮は、膀胱が伸びたり縮んだりするために都合のよい構造になっています。尿が溜まると膀胱はふくらみ、排尿すると膀胱は縮むので、風船のような臓器と考えてください膀胱がんには、いくつかの組織型がありますが、90%以上のがんは、膀胱の移行上皮から発生する移行上皮がんです。膀胱がんは、大きく次の2つのタイプにわけられます。病気はさほど進行しておらず膀胱温存できる 表在性膀胱がんと病期が進んでいる浸潤性膀胱がんです。

表在性膀胱がん

 悪性度の低い癌で、膀胱の内腔(膀胱の内面)に突出しますが、根は浅く、表面は乳頭状(カリフラワーの様)で狭い茎を持っています。膀胱癌の70%はこのタイプです。内視鏡的に治療できますが、半数以上の患者さんで膀胱内に再発します。癌の深さは粘膜の下に及ぶ場合もありますが、膀胱の筋肉の層には達していません。また、その他肉眼的に腫瘍が確認できない上皮内がん(Carcinoma in Situ: CIS)と呼ばれるタイプもあります。これは、細胞の顔つきが悪く、また発育が速いため、その約50%が次に述べる浸潤性膀胱がんに移行しやすいため注意が必要です。

浸潤性膀胱がん

浸潤性膀胱癌悪性度が高く、根が深く膀胱壁の深くまで達しており、転移もしやすくなります。このため、内視鏡手術で治療することは難しく、膀胱摘出手術や抗がん剤などの身体に負担のかかる治療が必要になります。
症状としては、血尿がもっとも重要な症状です。突然血尿をきたし、自然に消失することがあります。このような時は、安心せずにすぐ泌尿器科を受診しましょう。また、排尿時に痛みを感じたり、頻尿をきたした場合も注意が必要です。さらに、癌が大きくなり下部尿管を閉塞すると、腎臓が内部が拡張し水腎症をきたすと腰背部の痛みをきたす場合があります。 

ページTOPへ

 

膀胱がんの検査

膀胱がんを疑うときは検査を進めます。

尿細胞診検査

患者さんからいただいた尿中に、癌細胞が入っていないかどうかを顕微鏡で検査するものです。患者さんに、負担のかからない検査ですが、必ずしもすべての膀胱癌を診断できるとは限りません。特に、悪性度の低い癌では、尿に癌細胞が落ちてくることは少ないため確実な検査とはいえません。しかし、先に述べた上皮内癌(CIS)では、細胞がはがれやすいため、陽性率は高くなります。

膀胱電子スコープ検査

膀胱内をカメラで観察します。昔は、硬性鏡と呼ばれる、金属棒のようなカメラで検査しており、その痛みがありました。現在は軟性膀胱鏡を使用しておりますので、痛みはかなり軽減しています。この検査は、膀胱内を直接観察するので、最も確実な検査といえます。当院で使用している電子内視鏡では画像が鮮明であるため、米粒のような小さな癌も容易に発見できます。膀胱がんの治療は、表在性膀胱がんと、浸潤性膀胱がんで異なります。これらの詳細については、下記リンク先の泌尿器科のページにおいで下さい。

泌尿器科の紹介はこちら

ページTOPへ

膀胱がんの治療

  病気の進行で、膀胱摘出を必要として治療したときには、尿路変更が必要になります。膀胱摘出後は、尿を体外へだすために以下の尿路変更術が必要になります。

尿管皮膚瘻

尿管の断端をそのまま皮膚に開口させる方法で、ストーマができるためパウチと呼ばれる尿を溜める装具を皮膚に貼り付ける必要があります。高齢者や合併症のため複雑な尿路変更ができないときに行います。

回腸導管

尿管の断端をそのまま皮膚に開口させる方法で、ストーマができるためパウチと呼ばれる尿を溜める装具を皮膚に貼り付ける必要があります。高齢者や合併症のため複雑な尿路変更ができないときに行います。

代用膀胱(導尿式と自然排尿型)

小腸で作成した膀胱を尿道に吻合してつくります。この方法では、自然に尿道から排尿できるのが特徴です。しかし、本来の尿意がなくなるため時間を決めて排尿することが必要になります。手術は多少複雑になりますが、術後はストーマがなく尿を溜める装具を身体につける必要がないために、患者さんのQOL(生活の質)は非常によいものです。当科では、標準的な術式としています。

 boukou_1

ページTOPへ

最終更新日:2018/08/16