小児心臓外科

医師スタッフの紹介

役職 部長
    (成人先天性心疾患診療科部長兼任)
氏名 岩田 祐輔 (いわた ゆうすけ)

 心臓血管外科専門医・同修練指導者
 外科専門医・指導医
 成人先天性心疾患専門医 
  循環器専門医
 日本胸部外科学会評議員
 関西胸部外科学会評議員
 日本小児循環器学会評議員
 日本成人先天性心疾患学会評議員
 The Society of Thoracic Surgeons;International Member
 The European Association for Cardio-Thoracic Surgery;            Active Member
 The Asian Society of Cardiovascular and Thoracic Surgery;
    Active Member
  The World Society of Pediatric Congenital Heart Surgery;
  Active Member
 

役職 医長
氏名 渕上 泰(ふちがみ たい)

 心臓血管外科専門医・同修練指導者
 外科専門医
 循環器専門医
 日本小児循環器学会評議員
 The Asian Society of Cardiovascular and Thoracic Surgery;
  Actiive Member
 

役職 医師(専攻医)
氏名 小倉 健(おぐら けん)

 外科専攻医
 

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診療科の特徴

 心臓は受精してから約10週で出来上がると言われています。その間に1本の管だった心臓が捻じれたり、曲がったり、くっ付いたりして、壁が出来たり吸収されたりして心臓が出来上がります。先天性心疾患とは生まれながらに心臓の壁の孔が塞がらずに残っていたり、壁が余分に残っていたり、血管が狭かったりする構造に異常のある病気を言います。そして先天性心疾患を持つ赤ちゃんは約100人に1人の割合で生まれていると言われています。専門治療を行わないと20%~30%は新生児期に、50%は乳児期に死亡すると言われています。呼吸がしんどそうだったり、ミルクの飲みが悪かったり、体重の増え方が遅かったりするのは先天性心疾患が関与していることがあります。

 私たち小児心臓グループは、心疾患を持った赤ちゃんを1人でも多く救うために日夜努力しています。残念ながら、まだ全ての先天性心疾患のお子さんを救命できるにはいたっていませんが、治療成績は確実に向上しており、単に救命するだけでなく、より質の高い人生を送れるようような治療へと変化しています。また、現在の先天性心疾患に対する医療は、生まれてから診断して治療が始まることは少なく、そのほとんどは胎児期(お母さんのお腹の中にいる時)から始まります。産科医の診察で発見され、小児循環器科医、小児心臓外科医が連携して治療にあたることが一般的で、地域の関連する医療現場の連携で小さな命をひとつでも多く救おうと日夜努力を続けています。

 救われた命はいずれ成人になります。完全に医療を必要としない人もいれば、医療を必要とする人もいます。年老いるまでの間に再度医療が必要となる人もいます。私たちは、胎児期から、生まれて、治療を受けて学校に通い、成人になり、就職したり、結婚したり、子供を産んだり、年老いるまでの人生をサポートできる総合病院ならではの特徴を生かしたシステムを持つ、国内でも数少ない施設の一つとして診療にあたっています。

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診療科の概要・沿革

 一般的に心臓手術は急速な進歩のためにその専門性が高くなり、現在では成人の心臓手術と小児(先天性心疾患)の心臓手術はそれぞれの専門の医師が担当するようになりました。さらに、小児期に治療した先天性心疾患を再度手術する成人先天性心疾患手術を専門にする診療科まで細分化されました。

 当院では、1997年5月に東京女子医科大学から専門医2名を招聘して小児心臓外科を開設し、1998年4月には小児循環器科が新設され、2011年4月には成人先天性心疾患診療科が新設されました。これにより国内でも数少ない総合的に新生児期から成人までを対象とした先天性心疾患治療体制の整った施設となりました。岐阜県内のみならず、愛知県、滋賀県からもご紹介頂くようになり、全国に拡がりつつあります。総合病院の強みである母とこども医療センター、産科・胎児診療科、新生児内科、小児循環器科と連携して母体・胎児での紹介が一般的になりつつあります。

 また、術後の傷や胸骨の変形に対する治療、他院で受けた手術の遠隔期・成人期のフォロー、遠隔期の不具合にたいする外科治療も当院では積極的に行っています。

1997/5   小児心臓外科開設 長津医師(部長)、八島医師赴任
1998/4   小児循環器科開設
1998/10  小児循環器病床開設
2001/4   竹内医師(部長)赴任
2010/11  岩田医師赴任
2011/4   成人先天性心疾患診療科開設
2013/4   小児集中治療室(PICU)改築
2019/9   渕上医師赴任

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診療内容について

先天性心疾患に対する手術 

新生児期一期的修復術
大動脈スイッチ手術(ジャテン手術)、総肺静脈還流異常症手術など

新生児期姑息的手術
ブレロック手術、肺動脈絞扼術など

複雑心奇形・単心室症に対する段階的手術
ノーウッド手術、グレン手術、フォンタン手術など

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診療実績 

小児心臓外科手術件数内訳 平成30年 平成31年 令和2年 令和3年 令和4年
2018 2019 2020 2021 2022
【開心術】          
心房中隔欠損閉鎖術 12 15 8 16 8
不完全房室中隔欠損症手術 0 0 3 2 1
部分肺静脈還流異常症手術 3 0 3 0 1
心室中隔欠損閉鎖術 25 24 24 19 11
右室二腔症手術 0 1 1 0 2
ファロー四徴症手術 1 1 7 3 2
両大血管右室起始症手術 1 0 2 2 1
 +右室流出路形成、肺動脈形成 4 1 2 2 2
ラステリ手術 7 3 3 1 7
右室流出路再建術(肺動脈弁置換術含む) 2 1 1(1) 3 3
完全房室中隔欠損症手術 1 2 2 1 6
大動脈スイッチ手術(ジャテン手術) 3 3(1) 3 2 4
大動脈縮窄・離断症手術 1 4 1 1 1
 +左室流出路狭窄(ヤスイ手術) 0 0 0 0 0
ノーウッド手術(左心低形成症候群類縁疾患含む) 1 4 0 0 1
総肺静脈還流異常症手術 3 0 1 1 1
 +肺動脈形成,,弁形成,,シャント等
 (心房内臓錯位症例を含む)
1(1) 0 0 1 0
三心房心手術 0 0 0 0 0
房室弁手術
 (共通房室弁形成術,エブスタイン類縁疾患等)
1 5(1) 4 1 4
大動脈弁・弁下・基部手術
 (弁形成,ロス手術,デイビット手術等)
1 2 1 0 0
フォンタン手術 7 6 5 5(1) 6
 +弁形成,肺動脈形成 等 0 1 0 2 1
両方向性グレン手術 6 3 1 3 2
 +弁形成,肺動脈形成,DKS 等 1 3 1 5 1
冠動脈手術(ALCAPA, CABGなど) 1 0 2 0 0
その他(肺動脈形成術,肺静脈狭窄症手術含む) 10 6(1) 4 7 4
小計(CPB+)  82 85 79 77 69
           
【非開心術】          
動脈管閉鎖術(主に極低出生体重症例) 10 9 15(1) 13 6(1)
肺動脈絞扼術 4 8 11 3 4
両側肺動脈絞扼術 4(1) 4 3 0 2
ブレロック短絡術 5 2 8 3(1) 3
大動脈縮窄・離断症手術 6 3 1 2 3
ペースメーカー,CRT,ICD,植え込み 1 3 2 1 2
その他(13,18トリソミー症例を含む) 3(2) 1 1(1) 1 1
小計(CPB-) 33 30 41 23 21
           
【その他】 25 25 20 28 23
           
総計 140(4) 140(3) 140(3) 128(2) 113(1)
      ()内は病院死亡

 

 

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最終更新日:2023/07/03