経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)について

はじめに

 当院は、平成26年3月に県内で初めて、「経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)」の実施施設に認定されました。「経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)」とは、大動脈弁狭窄症の患者さんに対する治療法として、従来の開胸手術による大動脈弁置換術に比べ、患者さんへの負担が少なく外科的手術を受けられない高齢の患者さん等を救う治療法として期待されています。

※当院ではTAVI外来(毎週月曜日)を開設しております。循環器内科:渡邊亮太医師が診察を担当します。TAVIについての質問等、お気軽にご相談ください。

TAVI外来の紹介

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大動脈弁狭窄症について

大動脈弁狭窄症とは?

f3_1317179556  心臓にある4つの弁(三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁)の内、大動脈へ血液を送り出す大動脈弁が、動脈硬化等の要因により硬化し、弁の開きが不十分になることで、様々な疾患を引き起こす病気です。初期症状は、軽微ですが、症状が進行すると胸痛、息切れ等、最終的には心不全による突然死に至るケースもあります。

 

大動脈弁狭窄症

図:左室の大動脈弁が狭窄することで症状が起こる

 

 

大動脈弁狭窄症の治療法

大動脈弁狭窄症の治療には、大きく分けて以下の3つの方法があります。患者さんの年齢や、既往歴に応じて最適な治療法を選択します。

 

薬物療法

 薬物により、症状の改善を試みる治療法です。症状が比較的軽微な患者さんや、様々な要因により手術を受けられない患者さんが対象です。しかし、症状の一時的な改善は見込めますが、根本的な治療とはなりません。

 

 

大動脈弁置換術

f3_1317179556  外科的治療として、大動脈弁置換術があります。疾患の原因となる大動脈弁を人工弁と置き換える手術です。術後の経過もよく、大動脈弁狭窄症の患者さんに対する一般的な治療法ですが、患者さん自身の体への負担が大きく、手術適応とならない場合も存在します。

 

経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)

f3_1317179556  大腿動脈や心尖部より、カテーテルを挿入し患者さんの大動脈弁上に人工弁を留置する治療法です。外科的手術に比べて、患者さんの体への負担が小さく、また入院日数も短くなります。外科的手術の適用外となった高齢の患者さん等が対象となります。
tavi2 tavi3
人工弁 カテーテル

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経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)について

 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は、当院ハイブリッドオペ室にて、循環器内科、心臓血管外科、麻酔科の医師が協力し治療を行っております。

ハイブリッドOP室

ハイブリッドオペ室

tavi実施風景① tavi実施風景②
当院で行ったTAVIの様子① 当院で行ったTAVIの様子②

 

 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)のアプローチ方法

 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は、心臓の大動脈弁までカテーテルを通して、人工弁を留置します。大動脈弁までカテーテルを通す方法として大腿動脈や心尖部などのアプローチ方法があります。

経大腿アプローチ

 足の付け根(鼠径部)よりカテーテルを挿入する方法。この方法が第一選択となります。
※経大腿アプローチにおけるカテーテルの挿入手順
ashi-1 →140804 ashi-2 →140804 ashi-3
   

 

経大腿アプローチの手順(動画)

経心尖アプローチ

心臓の先端部からカテーテルを挿入する方法。経大腿アプローチが行えない場合に実施します。
※経心尖アプローチにおけるカテーテルの挿入手順
heart-1 →140804 heart-2 →140804 heart-3
   
 

 

経心尖アプローチの手順(動画)

対象患者さん

ご高齢の患者さん(およそ80歳前後)

開胸手術の既往のあるかた

胸部の放射線治療を受けたことのあるかた

肺気腫などの呼吸器疾患のあるかた

肝硬変などの肝疾患のあるかた

1年以上の予後が期待できる悪性疾患の合併のあるかた

その他、当院ハートチームによる判断で、リスクの少ない外科手術適用となる場合があります。

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スタッフ

ハートチームについて

 当院では、心臓血管外科、循環器内科の医師、看護師、リハビリスタッフ等からなる、ハートチームを結成し、治療にあたっております。

ハートチーム

当院ハートチームのスタッフです。

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お問い合わせ先

岐阜県総合医療センター 循環器内科まで

平日:8:30~17:15

℡058-246-1111

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最終更新日:2023/07/11