皮膚科

医師スタッフの紹介

 

 

役職 皮膚科部長
氏名 永井 美貴  1992年卒

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医
岐阜大学医学部客員臨床系医学教授
医学博士

■専門分野 皮膚科全般、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、水疱症、創傷治癒(褥瘡)
■所属学会 日本皮膚科学会 日本臨床皮膚科医会 日本皮膚免疫アレルギー学会 日本小児皮膚科学会 日本乾癬学会 皮膚かたち研究会 アトピー性皮膚炎治療研究会
 

役職 医師
氏名 赤川 舞  2015年卒

■専門分野 皮膚科全般
■所属学会 日本皮膚科学会 

 

役職 医師
氏名 福井 ちひろ  2018年卒

■専門分野 皮膚科全般
■所属学会 日本皮膚科学会 

 

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関連する診療科・専門外来

成人

・アトピー性皮膚炎外来
・尋常性乾癬・乾癬性関節炎・掌蹠膿疱症外来
・脱毛症外来

 

 近年皮膚科領域において、生物学的製剤などの炎症性サイトカインを制御する薬剤を使用することができるようになり、全身療法における治療成績もずいぶんと向上し、様変わりしてきています。具体的には、2022年8月現在、アトピー性皮膚炎には、デュピルマブ(商品名:デュピクセント)やネモリズマブ(商品名:ミチーガ)という生物学的製剤が、またバリシチニブ(商品名:オルミエント)・ウパダシチニブ水和物(商品名:リンヴォック)などの複数のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤が認可されました。尋常性乾癬に対してもすでに11種類もの生物学的製剤が、掌蹠膿疱症に関しては、グセルクマブ(商品名:トレムフェア)、円形脱毛症(重症またはきわめて重症)の患者さんにもバリシチニブ(商品名:オルミエント)が認可されました。当院は、日本皮膚科学会生物学的製剤使用承認施設であり、種々のガイドラインに従い、これまでに多数の患者さんに適正に使用しています。

 当科の基本的な方針は、患者さんに日々アップデートされた治療方針を正確に説明し、最終的に患者さんとともにより安全で根拠のある治療方針を決定しています。日々の再診では時間がとれない上記の患者さんに対して、専門外来(予約制)を設けました。もう一度外用療法について指導を受けたい、自己注射の仕方を再確認したい、所得に応じた高額療養費制度や限度額適応認定書などについて再確認したいなど疑問はありませんか?

 近年、尋常性乾癬は、その症状の主体は皮膚症状ですが、皮膚のみならず全身炎症の一つと考えられています。禁煙や体重の減量のなどの生活習慣の改善も大切です。禁煙外来(自費)や栄養指導や痛みや心肺機能に応じたリハビリ等への相談にも他科への高診予約(後日)などで相談に対応します。ぜひご活用ください。

 この専門外来は、当院で初診をすませ、上記と診断をうけた再診患者さん(開業医との連携患者さんを含む)が対象です。

診療日時   予約制 (毎週火曜日)
         午後2時半~3時半

診療予約   完全予約制 (再診対象)
・事前に初診の診察をうけた方が対象になります。
・3名の皮膚科医がチームとなり診察をしますので、初診医と違うことがあります。

 

小児 

・先天性表皮水疱症 外来
 

 先天性表皮水疱症で日常の皮膚処置が苦痛で、処置方法も日々変化する疾患に対して、具体的な処置の方法・生活指導などを行います。全身の観察が難しい場合は、ご自宅で写真をとってきてもらい、参考にしながら診察をすることも可能です。在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料分の包括医療材料ならびに特定保健医療材料などの有効な使用方法を提案をします。
 

診療日時   予約制 (毎週火曜日)
         午後2時半~3時半

診療予約   完全予約制 (再診対象)
・事前に初診の診察をうけた方が対象になります。
・3名の皮膚科医がチームとなり診察をしますので、初診医と違うことがあります。


 

 

診療内容について

 皮膚科診療は、乳幼児から高齢者まで年齢性別を問わず、全身の皮膚に関するすべての疾患が対象です。発疹学に基づいた観点で皮疹を診察すると同時にダーモスコープ、真菌学的検査、皮膚病理検査、パッチテスト、アレルゲン検査などでより客観的な検査結果を参考にして総合的に診断をします。治療は、皮疹の程度や重症度に応じて、外用剤の選択、内服薬の投与、注射製剤の投与などです。時に、光線療法(PUVA,NBUVB)や皮膚外科的手法等を用います。より複雑で治療に難渋する際は、患者さんと相談をし、院内の他科や大学病院などより専門性の高い病院への受診を促し、より安全で確実な治療が受けられるように配慮します。当院は3名の常勤医師で対応をします。

主な症状・病気

   私たちは、日常によく遭遇する湿疹・アトピー性皮膚炎などの湿疹皮膚炎、蕁麻疹・薬疹、光線過敏症などのアレルギー疾患のみならず、紅斑症、乾癬などの炎症性角化症、天疱瘡や類天疱瘡などの自己免疫性水疱症、皮膚科領域の膠原病、皮膚良性・悪性腫瘍、蜂窩織炎などの急性感染症・帯状疱疹などのウイルス疾患・真菌感染症や白斑症や脱毛症などを対象に検査、治療をしています。またがん患者さんの治療の過程に生じる皮膚病変(生物学的製剤や化学療法剤に伴う手足症候群など)にも積極的に対応しています。
 

・脂漏性皮膚炎(中日新聞LINKED/地域医療ソーシャルNEWS)
 https://project-linked.net/mdc-knowledge/what-is-symptoms-of-seborrheic-dermatitis/

・脂漏性皮膚炎の外用療法(中日新聞LINKED/WEBマガジン)
https://plusc.project-linked.net/gifu-hp/mdc-knowledge/seborrheic-dermatitis-external-therapy/

・アトピー性皮膚炎(中日新聞LINKED/地域医療ソーシャルNEWS)
https://project-linked.net/mdc-knowledge/what-is-symptoms-of-atopic-dermatitis/

・口唇ヘルペス(中日新聞LINKED/地域医療ソーシャルNEWS)
https://project-linked.net/mdc-knowledge/what-is-symptoms-of-herpes/

・帯状疱疹(中日新聞LINKED/地域医療ソーシャルNEWS)
https://project-linked.net/mdc-knowledge/what-is-symptoms-of-herpes-zoster/

・尋常性乾癬(中日新聞LINKED/地域医療ソーシャルNEWS)
https://project-linked.net/mdc-knowledge/what-is-symptoms-of-plaque-psoriasis/

・皮膚がん(https://www.gifu-hp.jp/skin_cancer/

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施設認定

・日本皮膚科学会認定専門医研修施設

・日本皮膚科学会生物学的製剤使用承認施設
 

外来:常勤皮膚科医3名で毎日診察をしています。

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入院:外来通院ではコントロールしづらい、帯状疱疹・蜂窩織炎・丹毒などの急性感染症、うっ滞性皮膚炎、下腿潰瘍、アトピー性皮膚炎の急性増悪、薬疹、中等症までの熱傷、自己免疫性水疱症、膠原病、皮膚腫瘍などに幅広くたくさんの患者さんに利用していただいています。急性期が過ぎれば、希望に応じて紹介いただいた開業医へ逆紹介をさせていただいます。また生物学的製剤など総合病院での管理が好ましい薬剤を使用する場合は、開業医と連携をし当院でも経過フォローをしています。

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特徴・特色

検査

真菌検査
真菌検鏡や培養を行い、根拠のある診断をします

   

ダーモスコープ
視診では診断に苦慮する色素性病変に対して、ダーモスコープを用い、さらに詳細に観察をします。

皮膚生検(予約制)
原則、局所麻酔下にて診断に必要な皮膚を採取し、病理検査に提出します。

皮膚病理組織検査(蛍光抗体法を含む)
皮膚生検、手術標本を病理学的に検討します。HE染色のみならず、蛍光抗体法や免疫染色など場合によっては追加し、病態生理を理解し、確定診断します。しかし、皮膚病変の状態によっては確定診断できないケースもあります。その際は、経過観察をしながら必要に応じて再検査することがあります。

 

パッチテスト・プリックテスト・スクラッチテスト・皮内テストの皮膚テスト(予約制)

・パッチテスト:薬などのアレルゲンと推測されるものを実際に皮膚に貼付をし、パッチテストを行います。場合によっては、ジャパニーズスタンダードアレルゲンや金属アレルゲンによるスクリーニング行います。対象期間は夏季を除く、10月から6月頃の期間で行います。詳しくは、診察時に確認をしてください。

・プリックテスト・スクラッチテスト・皮内テスト
パッチテストとはちがい、より即時型反応(アレルギー)を疑う場合に行います。これまでに生じた重症度に応じて体制を整えます。皮内に抗原が入りますので危険を伴うこともあります。場合によっては入院をし、麻酔科医同席の上行うこともあります。詳しくは、診察時に確認をしてください。

 
 

 

治療

液体窒素療法(尋常性疣贅、日光角化症など)

CO2レーザー
難治性の疣贅や眼瞼の黄色腫などに使用しています。

光線療法(尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、類乾癬、菌状息肉症、尋常性白斑など)
主にナローバンドUVBを使用します。定期的な受診が必要です。

局所免疫療法
難治性脱毛症に対してDPCP療法の外用を行います。定期的な受診が必要です。

皮膚外科手術
皮膚外科手術​
良性腫瘍の摘出(ほくろ(母斑)、表皮嚢腫、脂肪腫など)に加え、日光角化症、ボーエン病、基底細胞癌、有棘細胞癌などの悪性腫瘍に対して手術をします。より複雑で、整容面にも問題を生じる病変や部位に関する手術は、形成外科医とチームで治療に当たり、病院全体で満足のいく治療を提供できるよう努めています。

アトピー性皮膚炎の治療
・ガイドラインに従い、まずは外来で外用剤の使用の仕方を再度指導いたします。症状が安定してきたら、プロアクティブ療法を中心とした外用治療の指導をします。外用剤を使用していても治療難治例や中等症-重症の患者さんに対して全身療法の提案をします。2022年8月現在であれば、デュピルマブ(商品名:デュピクセント)やネモリズマブ(商品名:ミチーガ)という生物学的製剤や、またバリシチニブ(商品名:オルミエント)・ウパダシチニブ水和物(商品名:リンヴォック)などの複数のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤等の全身療法を提案し、納得をしていただいた上で、治療を進めていきます。
・急性憎悪な場合は、短期入院のうえ、外用療法を主体とした教育入院も行います。

・アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法(中日新聞LINKED/WEBマガジン)
 https://plusc.project-linked.net/gifu-hp/mdc-knowledge/atopy-proactive/

乾癬・膿疱性乾癬および掌蹠膿疱症の治療
乾癬に関しては、ビタミンD3製剤やステロイド外用剤のみならず、光線療法や免疫療法、また生物学的製剤等(2022年8月 11種類)を組み合わせ、患者さんの症状やニーズにあわせた治療を共に選択します。膿疱性乾癬に関しては外用療法・生物学的製剤や顆粒球除去療法を使用することが可能です。掌蹠膿疱症に関しては、病巣感染巣のコントロールは必須ですが、局所に関しては、外用療法や免疫抑制剤、重症度に応じて、グセルクマブ(商品名:トレムフェア)の生物学的製剤を使用も可能です。

・尋常性乾癬の生物学的製剤(中日新聞LINKED/WEBマガジン)
https://plusc.project-linked.net/gifu-hp/mdc-knowledge/psoriasis-biopharmacy/

難治性皮膚潰瘍
日々の外用療法に加え、デブリードマンや植皮手術、時には持続的吸引療法などを用い治療に当たります。

特発性の慢性蕁麻疹
抗ヒスタミン薬内服に加え、補助的な治療薬を用いても蕁麻疹のコントロールが不良な場合は、オマリズマブ(商品名:ゾレア)を用いた治療を併用します。

進行性円形脱毛症・自己免疫水疱症
広範囲で進行性の脱毛症に関しては、ステロイドによるミニパルス療法や症状が固定した場合は、局所免疫療法やJAK阻害剤(商品名:オルミエント)の導入を検討します。

※当院では、生物学的製剤による高額な医療費に対し、患者さんの自己負担額に対する不安を軽減するために、導入前にさまざまな仕組みの説明をし、納得の上治療を開始します。(予約制)

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カンファレンス・チーム医療

カンファレンス

皮膚科総合カンファレンス(毎火曜日)
週1回、全皮膚科医で、皮膚生検ならびに手術患者さんの臨床経過、臨床像と病理組織標本を参考に、検討会をし、根拠のある治療を心掛けています。病理診断科ともディスカッションをさせていただいています。

皮膚科週末カンファレンス(毎金曜日)
週末の金曜日、全皮膚科医で、1週間受け持った初診、再診患者の経過報告と相談、次週の生検、手術患者の事前確認、現入院患者の1週間のサマリー等を報告しあい、課題を共有しています。

皮膚科レクチャー(月1回)
主研修施設の外部医師によるレクチャーを受け、皮疹の視かたのロジックを学び日々の診療に役立てています。

 

 

チーム医療

入院患者褥瘡回診(毎金曜日)
皮膚科医と形成外科医、院内のwocナース、薬剤師そして栄養管理士らで褥瘡チームを組み、入院中で褥瘡に苦慮されている患者様のベッドサイドまで伺い、姿勢や体位・除圧などの環境の確認や外用剤、創傷被覆材などの適切な使用状況を確認し、病院内の褥瘡治療の向上に取り組んでいます。また年に3回、院内合同褥瘡部会で病院全体の目標を明確に達成できるよう努力しています。さらに年に1回病院全体で褥瘡セミナーを開き、外部の講師等の講演を聴き、コロナ禍では、WEBによる動画配信のレクチャーをマスターし、日常のスキルを向上できるよう努力しています。
 

3科合同乾癬カンファレンス(月1回)
尋常性乾癬や乾癬性関節炎の患者さんの情報を皮膚科医・整形外科医・総合内科医と共有することで、多方面の意見を取り入れながら治療を構築していきます。

形成外科医との合同手術(不定期)
顔面の基底細胞癌や有棘細胞癌などより整容的満足がいくよう患者さんの希望に応じて、形成外科医と皮弁形成術を施行しています。また広範囲熱傷なども共同で手術にあたり、病院として満足度の高い治療が提供できるよう努めています。

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業績

業績 

過去4年間の当科にお越しいただいた外来患者数、入院患者数(のべ)、紹介率・逆紹介率

 

外来患者数(人)

入院患者のべ数(人)

平均在院日数(日)

紹介率(%)

逆紹介率(%)

2018年度

17,123

2,264

9.8

76.5

78.2

2019年度

14,850

1,670

6.6

78.8

79.8

2020年度

14,676

1,640

6.7

77.2

68.1

2021年度

14,211

1,390

5.7

80.9

60.2

 

新型コロナウイルス感染(COVID-19) 2019.12-

当科も入院時の平均在院日数を短縮し、コロナ禍でも病院全体の病床稼働率をあげるよう対応をしています。紹介をいただく割合も増えており感謝しています。 

当科の主な皮膚悪性腫瘍患者数

疾患名  2015年度  2021年度
日光角化症 32 37
ボーエン病 8 11
有棘細胞癌 10 20
基底細胞癌 14 31
乳房外パジェット病 4 0
悪性黒色腫 3 1

有棘細胞癌や基底細胞上皮腫など一般の高齢者に多い皮膚悪性腫瘍が増加しています。

 

お知らせ

【当科受診の患者さんへ】

発熱、全身状態の悪い方は、皮膚科受付で遠慮なくお申し出ください。 

初診(原則):①緊急性を要する方(時間内救急部にも対応)、②紹介状をお持ちの方、③紹介状をお持ちでない当日お越しの方の順でお呼びします。

再診(原則):予約再診患者さんが終了次第、予約のない当日お越しの再診患者さんをお呼びします。

処置:特殊な処置が必要な場合、処置室で対応します。一般の診察の合間に対応しますので、場合によってはお待ちいただくこともあります。

 効率よく診察が進むよう努力していますが、より重症患者を優先に診察しますので、待ち時間が発生し、必ずしも原則通りにならないこともありますので何卒ご了承願います。

【近隣の医療機関の皆様へ】
当科での検査・治療の適応のある患者さんがおられましたら、お気軽に当院地域連携室をご利用いただければ幸いです。その後、継続的な皮膚科診療が行えるよう病診連携をさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

アトピー性皮膚炎患者のご紹介・診療予約時の皮膚科専用用紙(皮膚科 連携シートアトピー性皮膚炎)のご案内

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その他

その他

当科は、次世代を担う医学生、研修医、専攻医に対して積極的に教育をしています。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

医学部学生教育
毎年複数人の学生が実習されます。教科書ではわからない皮膚科の楽しさを共有できればいいと思います。医学生の見学も当院は受け付けておりますので、ホームページにアクセスください。

前期研修医
毎年数名の研修医に学んでいただいています。皮膚科ならではの皮疹の視かたや疾患へのアプローチ、また皮膚生検や小外科など実践的な研修をサポートします。

専攻医
当科は日本皮膚科学会認定専門医研修施設です。岐阜大学医学部皮膚科と中部国際医療センター皮膚科のプログラムに対応した専門研修連携施設になります。皮膚科専門医をめざしませんか?随時見学は受け付けております。

職員募集のご案内(当院求人情報サイト)
岐阜大医学部附属病院 皮膚科 https://www.hosp.gifu-u.ac.jp/medical/hifuka/
中部国際医療センター 皮膚科 https://cjimc-hp.jp/departments/dep_23

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最終更新日:2022/08/17